子供が剣道を続けた結果

保護者、指導者

はじめに

この記事を読んでくれているあなたは、きっとお子さんが剣道をしている方だと思います。

剣道に限らず、親として子供にどんな教育をすればいいのか分からなかった時期はありませんでしたか?僕はずっとよく分かりませんでした。

しかしそれは僕やあなたに限ったことではないと思います。僕たちはこれまで子供の教育について、きちんと教えてもらっていないまま、親になってしまったからです。

ほとんどの人が、自分の親にしてもらった体験だけを頼りに、我が子に教育しているのではないでしょうか。

親が子供に剣道を習わせるのも、人として立派な大人に成長して欲しい、剣道なら礼儀が身に付く、等のしつけの部分を期待しているのではないでしょうか。

今回は、僕の息子(現在小学校高学年)が剣道を続けた結果どのように成長したかを書いていこうと思います。少しでも何かの参考になればと思います。

小学校高学年になった息子の成長

先日、親戚の法要があって家族で出席してきました。

会場は結構広く参列者も80名位いらっしゃいました。

お坊さんによるお経の後、お焼香が始まりましたが、ここで少し不安がよぎりました。

小学生の息子は、人前でお焼香なんてしたことない!大丈夫か?という不安です。

しかも我が家はそこそこ前列に座っていましたので、順番が回ってくるのも早く、お手本となる方は数名しかいません。

いまさらやり方を教える余裕もありませんでした。

そんな中、早くも息子の番が回ってきました。先にお焼香を終えていた僕は自席から心配しながら息子のお焼香の様子を見ていました。

しかし、親の不安をよそに息子は、お坊さんに一礼、ご遺族に一礼した後にお焼香をして、自席に戻る前にも落ち着いてご遺族に一礼してから自席に戻ってきました。

小学校高学年ですので、なんとなくやり方くらいは真似できるだろうとは思っていました。

でもお焼香をした後は、すぐ席に戻りたくなってご遺族への礼を忘れたり、おざなりな礼になったりすると思っていた僕は、息子の落ち着いた礼を見て感動しました。

剣道の礼もそうですが、形だけのおざなりな礼と、相手に敬意を払う丁寧な礼は見ていて印象がまったく違います。

礼儀は相手への敬意を目に見える形で表したものです。

親バカかもしれませんが、「ああ、剣道をやってきて本当によかったなあ。」と息子の成長を感じた出来事でした。

親の教育

僕たちは、これまで教育を受けたことはあっても、自分が教育する立場になった事はほとんどなかったと思います。

しかし、我が子がいる時点であなたは既に教育者です。

僕は、始め教育者の自覚がないまま、息子や道場の子供たちに剣道を教えていましたが、大切な事に気づくまで中々うまくいきませんでした。

「パズル理論」と名づけたやり方にしてからは、手応えを感じています。リンクを下に貼りましたので興味のある方は読んでみて下さい。

「教育」という言葉はよく出来ていて「教える」という字と「育む(はぐくむ)」という字から構成されています。

僕らは、「試合に勝つコツは」「早い面の打ち方は」「ゲームばかりしないで勉強した方が将来苦労しないよ」などノウハウを教えたり、指示を出すことを教育と勘違いしがちです。

それらは「教える」という教育の一面にすぎません。

「育む」とは愛情を持って相手の存在を認める事が一歩目です。

これは本当に難しくて、時間もかかりますし、期待通りの結果がすぐに出るとも限りません。

それでも僕たちは子供たちへの愛情を忘れずに、その存在を認めた上で育んでいかなくてはいけません。

昔から「剣は心なり」といいます。剣道以前に親の育みが心の成長に繋がり、結果、剣道が強くなる一番の近道になるのだと僕は思います。

剣道を続けた結果

子供の教育を一人で抱え込む必要はありません。

どの家庭でもそうだと思いますが、子供にとって母親の影響はとても強いものです。

息子は、過去に一度剣道を本気で辞めたいと言った時期がありました。

それを乗り越え再び剣道をやる気にさせたのは妻のお陰でした。

妻には日頃の稽古の送迎など感謝しかありません。

そんな息子も今では道場でキャプテンを務めるようになりました。

小さな少人数の道場ですが、キャプテンを務める経験はとても貴重な経験です。

これまで自分の剣道だけに集中してきた息子でしたが、少しづつキャプテンの自覚が芽生え始めたようです。

僕が仕事で参加出来なかった稽古中のことです。

部員たちの声が小さかったらしく、その空気を感じた息子が、部員たちに声を出すように檄を飛ばしていたそうです。誰に言われるわけでもなく。

そんな様子を妻からのメールで知り、とても嬉しく思いました。

試合で勝つことは日頃の練習の成果です。それは自分に負けずに稽古した結果で、とても素晴らしい事です。

しかし、相手の事に目を向けたり、チームのことを考えられるようになる能力は、また別次元の事です。

それには、精神的な成長が必要です。

息子は、剣道を続けたおかげで本当に色々な方達に支えられて、ここまで成長する事が出来ました。

これから先も中学、高校と色々な経験が待っていると思いますが、剣道を続けてどんどん人として成長していってもらいたいと願っています。

おわりに

今回は我が家の話ばかりになってしまい、すみませんでした。

あなたのお子さんは、ウチの子よりも既に大きいかもしれませんし、まだ剣道を始めたばかりかもしれません。

でも親が子に対する教育や、剣道が子供に与える影響力は想像以上に大きなものです。

このブログを読んでくださっているあなたのことですから、そんな事は充分わかっていることだと思います。

将来子供が仕事をして家庭を築いていく上で、そんなあなたの教育や剣道で培ったものが土台となっていきます。

願わくば子供が成長して、家庭を持ち、子供を授かったのなら、またその子も剣道を始めてくれたら嬉しいです。

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