七段合格体験記

経験者

はじめに

2023年11月11日(土)のポッキーの日に名古屋の枇杷島スポーツセンターで行われた剣道七段審査会において、無事に合格することが出来ました。

これもお世話になった先生方や剣友の方々、剣道指導をしている道場のみんな、そしてなにより家族の支えのおかげです。

この体験記は「どうだ。七段だぞ。おれの話を聞け〜。」という偉そうなものではありません。

この記事は、これから昇段審査を受けられる読者の方が少しでも参考になればと思って書いています。

起床から会場入りまで

審査前日に名古屋入りした僕は名古屋駅近くのビジネスホテルで一泊しました。

当日の朝は、5時30分に起床しました。少し早い時間帯だと思いますが、僕は朝方のためいつも5時30分に起床しています。いつも通りを意識していたため、審査当日もいつも起床する時間に合わせて起床しました。

起床後、歯磨きをして水を飲み、関節トレーニングを約5分行いました。これも毎日やっているルーティンです。

その後、宿泊先のホテル周辺を15分くらい散歩しました。

7時30分。コンビニで買ったおにぎり(赤飯)1個とエナジードリンクを飲みました。

8時00分。タクシーで審査会場へと移動。

審査前

8時10分くらいに、会場に到着。

会場はまだ開いていませんでしたが、少し待機していると20人ほどの列が出来たので、僕もその列に並びました。

8時30分くらいに開場。受付をすませ2階に移動して着替えを済ませました。

9時00分ころゼリー状の栄養飲料を補給。

この頃に垂と胴を丁寧に着装しました。特に胴紐は縦結びになっていないか、途中でほどけないように固く結ぶなどを注意しました。

9時30分に受付が締め切られ、連盟の方からその後の審査の流れなどのアナウンスがありました。

午前中は54歳までの方々の審査で、審査場は5つでした。(55歳以上の方は12時過ぎに午後の受付が始まるまで中に入れなかったようでした。)

5つある各審査場にそれぞれ6名の先生方で審査されていました。審査の先生方はいずれも八段の先生です。八段の先生方をこれだけの人数集める贅沢さは凄いことだと改めて感じました。

10時頃から各審査場にて受審者の名前が呼ばれ始め、呼ばれた者から順に垂に受審番号のシールが貼られます。

僕は、もし早い組になった時でも対応できるよう、集中力のピークが10時ころになるように朝食をとるタイミングなども意識していました。しかし、僕の名前は中々呼ばれず早くも1組目の審査が開始され出しました。結局僕の組は午前中の最後の方でした。

予想よりも、審査までに時間があり一度リラックスしてもよかったのですが、ピークまで高めた集中力を一度切ってしまうとその後再び最高まで高める自信がありませんでした。

そこで僕はこのまま集中し続けることにしました。

結局、僕の一次審査が始まったのは正午を過ぎたくらいでした。

一次審査

僕の審査の順番が近づくと、係員の方から審査場近くの待機ブースへと誘導されました。

そこで面を付け、AからDまである決められた椅子に座り待機しました。

いよいよ次が僕の番というタイミングで椅子から立ち上がるように係員から促されます。その際、身体の調子を確かめましたが、体が重く感じキレのある軽やかな動きが出来る状態ではないと感じました。集中力を何時間も切らさずにいることがこれほど負担になるとは予想外でした。

一人目の立会い。

「はじめ」の合図で蹲踞から立ち上がった瞬間、立ちくらみになり目の前が少し暗くなりました。ここで全力で発声しようと思っていましたが、今全力で大きな声を出すと力が出なくなると感じ、発声は少し控えました。

初太刀。僕の攻めに面を打ってきたお相手に対して裏からの擦り上げ面を出しました。

その後、小手面や飛び込み面を打ちましたが、無心だったので余り覚えていません。

ただ、打突の前に必ず攻めを入れることだけは意識していました。

二人目の立会い。

二人目の始めの礼の際に、少し余裕が出たのか口元に笑みがでました。この時、集中力がとても良い状態になった実感がありました。

初太刀。僕の攻めにお相手が面を打ってきたので、返し胴を打ちました。自分でもびっくりするくらいのキレ味でした。

その後、お相手が焦ったのか、合気になる前に2回ほど打ち込んできたため、2回とも打ち合うことなく構えたままで応じました。

その後、出小手が決まり、最後に出鼻面が決まったところで、二人目の立会いが終了しました。

打って出る時は腰ごと捨て切って打てました。

また落ち着いて相手を待てたり、審査員から見やすい位置に移動する余裕もある良い精神状態でした。

審査後20分ほど待機していると一次審査の発表があり、なんとか僕の受審番号も記載されていてホッとしました。

二次審査

一次審査発表のその場で合格者が集められ、そのまま二次審査である日本剣道形の審査を行う別会場に移動しました。

形審査は3名の審査員で、4〜5組ずつ行われました。

流石に六段審査を突破してきた方々でしたので、形のお相手の方とも息が合い、形審査はスムーズに終了して無事に合格することができました。

審査後、会場入り口近くに佐川急便さんが待機しているブースがありましたので、とても便利でした。僕も防具と竹刀の配送を依頼したため、帰りは随分助かりました。

おわりに

今回審査が終わった際に感じた事は、嬉しさも確かにありましたが、自分の実力不足を感じたのが正直なところです。

正直審査前は、何とかなるかもという気持ちがありました。

しかし、全身全霊をかけて臨んだ審査後に感じたのは、理想の剣道にはまだまだという現実でした。

今までぼんやりとしていた自分の実力が、はっきりとした形で現れるのが本番です。

現時点での実力が分かっただけでも以前よりは成長できたのだと思いたいです。

集中力を維持して、全身全霊で立会いに臨んだため、審査後は昼食も夕食も固形物が喉をとおらず、栄養ドリンクを体に流し込みました。

こんな疲弊の仕方をしたのは生まれて初めてでした。

余談ですが、会場内で周囲の方に配慮のない防具袋の置き方をしていた方がいましたが、その方は早々に帰られていました。おそらく不合格だったのだと思います。

また別の受審者ですが、トイレの手洗い場で手についた藍を落とすために手を洗われていた方がいました。この方は、後ろに並んだ僕に気がつき「お先にどうぞ」と言葉をかけてくれたのですが、この方は合格されていました。

この出来事は考えさせられるものがありました。

この体験記はあくまで参考です。例えば朝食の量やエネルギー補給のタイミングなど、改善すべき点はいくつもあると思います。自分だったらこうしよう等と考えるきっかけになればと思います。

さて、次回は七段審査にあたり、自分なりに稽古や本番で気をつけた事や工夫した事を記事にしようと思っていますので、興味のある方は是非読んで下さい。

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