一生で一度は無我の境地を体験してみよう

ZONE

なぜ無我の境地を体験して欲しいのか

これを読んでくれているあなたが、剣道経験者だという前提でお話しします。

あなたが剣道で体得したもので一番良かったものは何でしょう。

僕が剣道を続けて一番良かったことは、メタ認知が出来るようになったことです。

メタ認知とは、自分の思考を客観的に捉えて、コントロールする能力と言われています。

メタ認知が出来るようになったのは、ゾーン体験を何度かしたことが要因になっていると思います。

剣道をしていてゾーンに入った時は、色々な体験をしました。

ある時は、相手と自分の重心が分かりました。よく試合を横から見ると左足と腰の位置で重心が分かりやすいと思います。この時は相手を真正面から見ているはずなのに、なぜか自分と相手の重心がどの状態にあるかが感じ取れ、打突する前にどちらが打ち勝つか判断できました。

またある時は、相手の思考が分かり、何を狙っているか、いつ打ち出すか等が予測できました。相手が何をしたいのかが分かるため、打突を止めることも、出鼻を狙うことも、返すことも出来ました。

また相手の竹刀の動きがスローモーションのように感じることもありました。

いずれの時も楽しくて口元が緩み、余計な思考をすることもなく、とても自由になった気がしました。

そういう体験を何度かしたことで、日常生活においても変化が起きてきました。

頭がクリアになって、余裕が生まれ、周囲が見えるようになってきたのです。

それ以前は自分の思考や自分の感情に全てが支配されていました。

しかし、徐々にですが「今おれ、不安を感じているな」とか「ああ、焦っているな」等と自分の思考や感情を客観的に捉えられるようになってきました。

自分のことが客観的に捉えられると、余計な悩みが減って他人がよく見えるようになりました。

「この人が怒っているのは、ここを恐れているな」等と気付ける機会が増えてきました。

大袈裟ですが、世界の見え方が変わりました。

僕は、昇段審査などの中間目標はありますが、継続したモチベーションとしては無我の境地に入ることを目指した稽古をしています。

でも他人に「無我の境地を体験するため稽古している」と言うとドン引きされるので、中々言えません(笑)

もしあなたが、無我の境地をまだ体験していないのであれば、是非僕の仲間(稽古で無我の境地を目指すという考え)になっていただけませんか。

何を準備すればいい?

簡単に無我の境地になるために稽古していると言いましたが、実際どうすればよいのでしょうか。

これは僕の一事例に過ぎませんが、何かのヒントになればと思い紹介させていただきます。

先ずは「当日身につける物を整える」です。

例えば明日稽古があるとしたら、前日の夜に防具袋を開けて防具のチェックをして、丁寧に防具をしまいます。また、竹刀の点検をして悪い箇所があれば手入れをします。

また当日着る服だったり履く物も準備しておきます。

これらの行為は、自分が当日使う物に対する感度を高める効果があります。そしてしっかり準備していれば稽古当日に防具や竹刀などに余計な気を回す必要がなくなります。

いかに当日の稽古に入るまでに余計な思考をするものを排除するのがコツです。

次に「寝る前にイメージをする」です。

明日の稽古場所に行くまでの過程、稽古中の立会い等をイメージします。

稽古中にこれまでにないくらい集中している自分をイメージしましょう。

このイメージトレーニングで大切なことは、思い入れです。このイメトレで明日の稽古が単なるいつもの稽古ではなくなり、集中しやすくなります。

無我の境地に入るコツ

では実際に剣道で無我の境地に入るコツをご紹介します。

無我の境地(ゾーン)に入るには、緊張感とリラックスがどちらも高い状態が理想です。

緊張しすぎても、リラックスしすぎても良くありません。

試合や昇段審査のように問答無用で緊張感のある場では、個人差はありますがリラックスすることを意識すればバランスが取りやすいです。

僕の経験談で恐縮ですが、七段審査でゾーンに入ったコツを書いていますので、参考にしてみてください。

ここでは、日常の稽古で無我の境地に入るコツを書いてみようと思います。

簡単に言うと「呼吸を工夫して集中力をコントロールする」ようにしています。

先ほど述べたとおり、本番では勝手に緊張感が高まりますので、リラックスすることに気を遣えばバランスが取れます。

リラックスするには、吸う息を短く、吐く息を長くすると良いとされています。

日常の稽古では、いつも見慣れた稽古場、見知った稽古仲間で、自然とリラックスしています。

僕は「今落ち着き過ぎているな」と感じた時は、吸う息を力強くすることで、若干の興奮状態を作り出しています。

具体的には、鼻から2回、短く力強く吸い、口から自然に1回吐くを、何度か繰り返します。

その他でいうと、丹田を意識することや、「今日絶対に無我の境地に入るぞ」という強い思い込み等は必要な要素だと思います。

是非色々工夫して、自分なりの無我の境地の入り方を見つけて下さい。

体験を経て・・・

あなたが、無我の境地を何度か体験すると剣道に対する取り組み姿勢が変わってくるはずです。

まず第一に稽古に対する目標が一段階高くなります。

それまでは、試合で勝ちたい。そうするためには・・・

という思考回路だったものが、自分の心の動きや、相手の心の動きがこれまでより鮮明に感じてくるはずです。

その感覚は、宮本武蔵のいう「観の目」だと思います。

その感覚が身につくと、剣道だけでなく日常生活にも多大な影響が出てきます。

こうした人間としての成長が感じられるところに醍醐味があります。

剣道という素晴らしい競技を続けているあなたは、是非無我の境地を体験していただき、より深みのある人生にしていただけたら幸いです。

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