はじめに
剣道を始めた頃に誰もが通る道
それは「左足が右足を追い越す問題」です。
昔は、初心者にすり足の練習を半年以上やらせていた道場がたくさんありました。
それくらいすり足は剣道にとって重要なものなのです。
しかし、今は早く防具をつけないと子供達の剣道に対する興味が無くなってしまうため、基礎はある程度できたら面を着けさせています。
確かにひたすら長い事稽古する中で体で覚えることも大切かもしれません。でも説明して、なんとなく正解のイメージを掴んでから稽古すれば、短い期間でもマスター出来ると考えています。
今回は、「すり足が出来ない」を克服して、剣道のレベルをぐーんと上げてもらいたくて書きました。
結論
大前提として構えた時の足の作りは出来ている状態と仮定します。
すり足の結論から説明します。
① 左足の親指の付け根に体重を乗せる
② 左足で床を押して、体ごと前に出す
③ その時右足を出すのではなく、体ごと前に出た右足は床を滑らせるだけ
④ ①の状態に戻る
なぜ歩いてしまうのか
日常の歩行は、右足を出した時に左手が前に出ます。
これは体を捻る動きで、実は西洋の文化が入って来てからだと言われています。
武道や能、歌舞伎など昔からある動きは、体を拗らない、体がブレない動きです。
つまり西洋的な歩き方が日常化した僕たちが、剣道を始めた際に無意識に歩いてしまうのは当然のことなのです。
しかしそんな現代人でもすり足になる状況があります。
例えば登山や長距離のウォーキングで足が棒のようになった時、無意識に足をするように歩いた経験はないでしょうか。
あれは体が勝手にエネルギー効率のいい動きを選択しているからです。
足を上にあげずに、重心を前にやるだけで足をすって前に進みます。
「竹馬」や「下駄」などを現代の歩行のまま使用すると違和感があるのは、歩き方が違うからです。
極意はムーンウォーク?
剣道のすり足に話を戻します。
すり足を理解する極意は「ムーンウォーク」です。
?なぜ剣道でムーンウォークが出てくるの?そう思いますよね。
大切なポイントが一緒だからです。
ムーンウォークの場合、片足がまるで無重力のように地面をすべらせています。
どうしてそのような動きが出来るかというと、もう片方の足に全体重を乗せているからです。
つまり左右に重心移動をしながら進んでいます。
剣道はこれを前後に行なっているだけです。
(詳しくはこちらの記事も参考にして下さい。)
練習方法
左足が右足を越えないようにするための練習方法としてこんな方法を試してみてはいかがでしょう。
① 左足に全体重を乗せる
② 右足を床から1センチくらい浮かせる
③ 右足を浮かせたまま重心を前にやる
④ 倒れないように自動的に右足が前に出る
⑤ 右足の着地と同時に①に戻る
おわりに
左足が右足を越える問題の根本原因は、歩行方法の違いにあります。
現代人の歩行方法から考えると、当然の結果です。
決してお子さんの運動神経が悪いわけではありませんので、焦らなくても大丈夫です。
お子さんが剣道をやっているママさんやパパさんは、お子さんが剣道に携わったことで、日本の文化を深く知るチャンスが訪れています。これってとても素敵なことだと僕は思います。
子供が疑問に思うこと。先生に注意されるけどどうしていいか分からない時などはどんどん僕に質問してください。なるべく分かりやすくご説明しようと思っています。
(InstagramのDMでメッセージをいただけると助かります。アカウントはninigi_designです。)
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