大真面目に「剣道をやる理由」について考えてみた
剣道をやる理由は、人によって違うと思います。
倒したい相手がいるから。
大会で優勝したい。
昇段審査に合格したい。
健康のため。
などなど人によって剣道をやる目標があると思います。
ちなみに全日本剣道連盟が掲げている『剣道の理念』とは
剣道は剣の理法の修練による人間形成の道である
となっています。
簡単にいうと、剣道を続けることで人間として成長し続けることが大切だよということです。
ではなぜ僕がタイトルに書いたように、のび太を目指すべきなのかについて語らせて下さい。
ここで言うのび太とは?
『ドラえもん』でお馴染みののび太くんは、いつもジャイアンやスネ夫にいじめられて、テストで0点をとり先生やお母さんに怒られてばかり。
それでも主役級の扱いでみんなのアイドルしずかちゃんと将来結婚します。
他のキャラクターとしては、権力の象徴ジャイアン、富の象徴スネ夫、勉強の象徴出木杉くん等のび太よりステータスの高いお馴染みのキャラがいます。
のび太には力も、富もありませんし勉強も出来ません。ドラえもんという最強のお助けロボットがいるなんてチートだと思われる方もいるかもしれませんが、しずかちゃんが結婚を決めた時にドラえもんは既にいません。
ではなぜ原作者は力も富も才能もないのび太をメインキャラクターにしたのでしょうか。
ジャイアンにもスネ夫にも出木杉くんにも持っていない、のび太が持っている個性とは何なのでしょうか。
僕は『のび太の結婚前夜』にそのヒントがあると思っています。
ストーリーは割愛しますが、しずかちゃんのパパがのび太のことを
あの青年は人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことのできる人だ
と評価しています。
僕はこのシーンでいつも泣いてしまいます(笑)
そうのび太が持っていたのは人間性だったのです。
素直さが人を動かす
人は一人では決してやりたい事や夢を叶えることはできません。
だれかの協力が必要です。
逆の立場から考えるとあなたはどんな人だったら心から協力しようと思いますか?
国を動かす権力者ですか?大金持ちですか?一流大学を出た天才ですか?
どれも凄い人ですが、本当に心が動くのはその人の素直さを感じた時ではないでしょうか。
剣道では直心(じきしん)という言葉があります。
大人になればなるほど、子供の頃にもっていた素直な気持ちを維持することの難しさを痛感していることと思います。
のび太の持つ人間性とは権力や富や才能に流されることなく、人間らしい人の幸せを願う気持ちや不幸を悲しむことができる心だったのです。
そして大人になってもその心を持ち続ける大切さがこの作品の一番のテーマだと個人的には思っています。
人の心を動かすのには素直さが必要です
剣道でのび太になる
社会に出ると理想や夢のような儚いものはすぐに打ち砕かれます。
目の前のタスクをこなすことで頭が一杯になります。
そうして心に余裕がなくなって子供の頃にもっていた素直な気持ちは見えなくなっていきます。
剣道の稽古とはみんながかつて持っていたのび太の心を取り戻し、その心を持ち続ける作業なのだと最近感じています。
寒い、暑い中でも稽古をやる。
忙しい中でも時間を作って稽古に向かう。
敵わない相手にどうやったら勝てるか知恵を絞る。
何度も何度も稽古を重ねる。
このように稽古とは「めんどくさい」と言う名の怠惰な気持ち、「どうせ無理」と言う名の諦めの気持ち、要するに自分の弱い気持ちを抑えることになります。
稽古を重ねることは、誰もが持っている正直な人間性を曇らせる弱い心を追い払い、人間性に磨きをかけて輝かせる行為だと僕は思います。
社会人にとって稽古相手を見つけて、稽古場所を押さえて、時間を調整して稽古することの大変さは承知しています。忙しい時は、素振りだけでも十分だと思います。稽古を続けてのび太くんの心を取り戻しましょう(笑)。僕も剣道でのび太くんになれるよう頑張ります。
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