人が2人以上集まればそれはチームです。
あなたは剣道の指導者かもしれません。
部下を持つ上司かもしれません。
いずれにしてもチームとして結果を出すために色々苦労しているのではないでしょうか。
今は昔のように部下や子供達を鍛えようと厳しく接すれば、すぐにパワハラだと問題になってしまいます。
結果を出したいし、やる気はあるけど、どうしたらいいかわからないあなたへ参考になればと思って書いています。
結論、相手の存在を認める
結論から先に書きます。
一人一人が力を発揮出来る、生産性の高いチームを作るために指導者が一番大事にすべき事。
それは『相手の存在を認める』ことです。
噛み砕いて説明すると部下や生徒達一人一人が『自分は特別だと思われている』と実感させる事が結果を出すチーム作りで一番大切なことです。
部下や生徒達の意思を無視して厳しいノルマを課したり、厳しい稽古を無理矢理すれば当然ある程度の結果は出るでしょう。
しかしそのやり方では継続はしないし、突き抜けた成果は出せません。
一人一人が主体性を持って行動する活気あふれるチームにするには、「自分が特別だと思われている」という実感が必要なのです。
ホーソン実験
ここで面白い実験をご紹介します。
昔、アメリカのウェスタン•エレクトリック社のホーソン工場で生産性を高めるためにどうすれば一番いいかという実験が行われました。
この実験の結果、一番生産性が上がった方法は、従業員自身が、「私の意見が聞いてもらえている、私の存在が認められている」と実感した時でした。
労働時間などの物理的な労働条件等では生産性はそこまで変化しなかっっっったそうです。
しかし、社員から出た「工場内の照明を明るくしてほしい」という意見を採用することで、社員達が「私の意見を会社が採用した。私の存在が認めてもらえている。」という実感を持った時、生産性が向上したのです。
面白いことに、明るくした照明をその後以前の暗さに戻しても生産性は落ちなかったという実験結果です。
人間は、表面的な環境面や給料などを良くしても大した成果を出しませんが、自分が特別扱いされていると感じた時、その能力を存分に発揮するのです。
これは剣道の指導でも、部下の指導でも、子育てでも同じ原理原則が言えるのではないでしょうか。
剣道指導における声かけの工夫
この実験結果から導き出された原理原則を使えば、指導の一つ一つがいつもより質の高いものになります。
例えば、あいさつ一つをとっても、指導者が子供達と目も合わさずに何か別のことをしながらあいさつしたとしましょう。小さなことですが、「僕は特別だと思われてる。」の真逆の行動だと思いませんか。
また、「お前は、面を打つ前に左足が右足を超えているからだめだめなんだ。」などと言う指導者がいたとします。第一に「お前」ではなく名前で呼びましょう。特別感が上がります。
そして「左足が〜だめなんだ」ではなく、「この前より大きな声が出るようになったね。」などと出来なかったことが出来るようになった点を見つけて認めてあげましょう。
その為には、いつもから出来ない事ばかりに目を向けるのではなく、出来た事を見つけるという視点で周囲を見るようにしましょう。
よく見ずに適当に褒めても子供達や部下達にはすぐにバレます。
この方法は別のブログでも書いた『パズル理論』でも本質は同じですので、参考まで。
おわりに
指導者はついつい傲慢になりがちです。
常にに自分の行動を振り返って「それ自分の承認欲求を満たしたいだけじゃない?」と反省しましょう。
そして影響力を持った真のリーダーになってみんなを導いて下さい。
自分の人格が今どの段階か、人格のレベルはどんな段階があるのかが気になる方はこの記事もチェックしてみて下さい。
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