はじめに
ブランク7年、剣道7段。
これが僕の剣歴です。リバ剣の僕でも、色々な方に支えられてこの度、剣道七段に1度目の審査で合格する事が出来ました。
六段審査の時は4度も不合格となった僕が、六段合格後の6年間にどんなことを考え、どんな準備をしてきたのか。そして本番の審査では何を意識したのか。
決して僕のやった事が正解とは限りません。八段の先生方々からすれば、何を偉そうにとお叱りを受けるかもしれません。
でも審査を受ける方々と同じ目線の僕だからこそお伝えできる情報もあると思うのです。
「こんな風に工夫している人もいるんだな」と1つの参考になればと思いこの記事を書いています。
1人でも誰かの剣道人生にお役に立てれば幸いです。
審査までに何を稽古したのか
僕が六段審査で4度不合格になった理由は
⚫︎手の内が分かっておらず、右手打ちになっていた
⚫︎理合が分かっておらず、相手と噛み合っていなかった
大まかに言うとこの2つが原因でした。
当時の僕は、六段が最終目標ではありませんでしたので、勇気を持って基礎の基礎から剣道をやり直す覚悟を決めました。
剣道は瞬間的な競技です。考えてから動いていては出遅れます。そこで無意識でも動けるように稽古を積み重ねる必要があります。
基礎からやり直すということは、その無意識まで高めた動作を一度捨てて、0から動作を構築していく作業が必要になります。
動作を再構築してまた無意識でも動けるレベルにする期間はとても長く辛い期間です。
その期間は相手に簡単に打たれるからです。
この期間は2、3年間に及びました。当然この数年は結果が出ませんでした。
しかし、苦労の甲斐あって以前よりも質の高い基礎が身について自然と右手打ちも改善されていました。質の高い基礎が身に付くことは、城で例えるなら大きな土台となる部分です。小さく軟弱な土台では大きな城は建ちません。
苦労して合格した六段。その時七段審査までの6年間を無駄にはできないと強く思いました。
七段審査を受審できるようになるまでの6年間に僕が稽古で意識したことを3つご紹介します。
・手の内
1つは、手の内です。これは六段の時から研究テーマでしたので、引き続き考えていました。
かつては竹刀操作を右手に頼っていたので、左手を意識して右手は極力意識しないようにしました。
右手打ちの時は、竹刀の先端がほとんど振れていない打ちでした。これではスピードはあっても冴えや迫力が出ません。
時間はかかりましたが、右手を意識せずに左手で打つ感覚を身につけてからは、竹刀の先が振れるようになってきました。
・攻め足
次に、攻め足です。手の内がある程度出来るようになったため、次は足の運用を真剣に意識し始めました。六段を受審していた時も攻め足は意識していましたが、攻め方のパターンは1つか2つでした。
そこでYouTube等の動画で有名な選手や高段者の先生の打つ前の足捌きを沢山見ました。それまで足捌きと言っても打突の際の足にしか注目していませんでした。
しかし、打突をする前の攻めの段階での足捌きに注目したことで、とても多くの発見がありました。
発見した攻め足を稽古で真似して、自分で出来そうなものをさらに反復して自分のものにしていきました。攻め足は七段審査に向けて1番時間をかけてこだわったテーマでしたので、後ほどもう一度触れようと思います。
・丹田
最後に取り組んだテーマは丹田です。
丹田はとても奥が深く今も研究しているテーマではあります。
ある程度剣道経験のある方は無意識でこの丹田が充実していると思います。
僕は、審査1ヶ月ほど前から重点的に丹田を意識しました。
なぜかというと、丹田を充実させると、構えに重厚感が出るし、動作も早くなるし、打突力も増し、そしてなにより精神面でとても良い効果があるからです。
精神面をコントロールするのにこの丹田が非常に重要になってきます。
丹田については、後ほど『集中力について』でまた解説させてもらいます。
習慣こそ全て
剣道に限らず習慣の力は偉大です。
人が一日に習得できる量には限界があります。
また人は睡眠中にも脳が活動して、情報を整理してくれます。
この事からも一回の習得量よりも、稽古→睡眠を何回繰り返すかにこだわった方が重要だと考えています。
僕の好きな言葉で「適当に建てた家ってのはオオカミに吹き飛ばされちまうんだぜ」という言葉があります。ジャイアントキリングというサッカー漫画で主人公の監督が、周囲から勝ちを急かされた場面で言うセリフです。
何でも高い次元の目標に到達するには、しっかりとした土台(基礎)が必要になります。
そして僕は自分の「やる気」を信用していません。
過去「やる気」を出して頑張り始めて続いたためしがないからです。
しっかりとした土台は、「頑張る」のような移ろいやすい気持ちに任せては成り立たちません。
では継続するにはどうしたらよいのでしょう。
「やる気」がなくても継続できるようにするにはどうしたらいいか試行錯誤してきました。
その結果「習慣」にするという結論に辿りつきます。
皆さんも生活の中で習慣になっている事があるのではないでしょうか。
食事の後に歯磨きをする。歯磨きをした後にお風呂に入る。寝る前に読書をする等。
習慣化するコツは、生活で絶対行う行動の前か後に行うのが良いと思います。
僕の場合日常で習慣化したトレーニングは
・関節トレーニング
・素振り
の2つです。
このたった2つだけは必ず毎日やり続けました。
関節トレーニングは、笹川ひろひでさんという理学療法士が考案した簡単な筋肉のトレーニングです。
ここでは詳細説明は省きますが、このトレーニングを朝の歯磨きや洗面後に必ず5分程度行いました。器具もいらず、どこでも実行できるため、旅行先などいつもと違う環境でも続けることができました。
次に素振りですが、回数は決めずに一日一回竹刀に触れる事を日課としました。
皆さんは「一日100本素振りする」みたいな目標を立てて挫折したことはありませんか?
僕はあります(笑)
回数を決めてしまうと、飲み会や仕事で帰りが遅くなった日などはどうしても継続が困難になってきます。一日やらないだけでも「今日は素振り出来なかったな」という軽い挫折感だけ残ります。
そこで継続させるための工夫として「一日一回竹刀に振れる」事を日課にしました。
剣道家の習性として傘や棒を持つとついつい構えてしまうことってありませんか?
一度竹刀を握ってしまうと、構えたり、軽く竹刀を振りたくなります。
調子のいい時は納得のいくまで竹刀を振るし、調子の悪い時はちょっとだけ素振りをして終わる時もありました。
しかし、挫折することなく今も継続できています。
回数の多い素振りを途中で断念するくらいなら、このくらいいい加減でも継続する方が僕は意味があると思っています。
客観性の大切さ
剣道に限りませんが、何かを達成しようとしたら
『目指すべきゴールを明確にする』
『自分の現状を明確にする』
この2つが非常に大切です。
例えば、剣道七段に合格するという目標を立てたとします。
七段に合格するには何が必要か明確にしないままだったり、多分こうだろうという感覚のまま審査に臨んでいる方もいるのではないでしょうか。
例えばですが、「無駄打ちを無くして、良い打突をする。あとは本番いつもより頑張る!」くらいの感覚で受審すれば、やはり合格は難しいのではないでしょうか。ちなみに僕が六段審査に初めて挑んだ時の心境がこんな感じでした(笑)
これは僕の独断と偏見ですが、
・着装や礼儀作法、構えた時の姿勢等、見た目の美しさ
・触刃から一足一刀の間合いに先に入り、相手を引き出す
・力強く捨て切った打突
・1本は高度な技を出す
・充実した残心そしてまた攻めと気持ちを緩めない
・極力無駄を削ぎ落とす
などを立会いで表現できる状態を目指しました。
そしてゴールをより明確にするには、言語理解よりも映像として理解する必要があります。
今はYouTubeなどの動画サイトで一流の先生の立会い動画などを簡単に見ることが可能です。
自分の身体的な特性や年齢なども考えながら、「この先生のような立会いが理想だ」といった現実的なゴールをイメージすることがとても役に立った気がします。
ゴールのイメージだけ持っていても、実際に自分がそのレベルの動きが出来なければ意味がありません。
分かると出来るは似ていますが、途方も無い距離があるのです。
僕の場合は自分の立会いの練習を動画で撮影して、客観的に今の自分を理解していました。
ここで一番言いたい事は『人間は自分の都合のいいように思い込む生き物なので、意識して自分を客観的に把握する』ことがとても大切だということです。
大した事ない自分を見つめることはとても辛い作業です。
しかし、明確に現状を把握することは、ゴールを明確にすることと同じくらい大切なことです。
なぜなら、ゴールと現状が明確になれば、自動的にゴールまでの差分が分かります。
あとはその差を埋めていく作業(稽古)を行うだけです。
僕たち多忙な社会人にとって1回の稽古はとても貴重なものです。
その貴重な1回の稽古をできるだけ具体的な目的をもって行うように心がけました。
ちなみに僕の場合、面を着けての稽古は週に1度程度でした。正直週に1度出来ない時もありました。
それでも、1度の稽古にテーマをもって集中して望むことで最大限の成果を出すことを意識したのです。
集中力について
僕は七段審査の本番でゾーンに入れました。
「少し焦っていて、次面を打ちたがっているな」とかお相手の心情が感じられたり、今審査員から見えにくい角度だから少し調整しようと客観的な視点から自分が見えたり出来る状態でした。
いくら稽古を積んでも、本番で力を発揮できなければ意味がありません。本番で良いパフォーマンスをするにはやはり精神面が重要になってきます。
本番は偶然ゾーンに入れたわけではなく、多くの失敗と試行錯誤から自分なりに確立した技術でゾーンに入りました。
もちろん個人差がありますので、あくまで僕個人のゾーンの入り方ですが、参考にされて下さい。
・準備を完璧に
本番当日、立会いのお相手以外のことを極力考えなくていいように準備を事前にしておくようにしました。
例えば、食事です。
何をどのタイミングで口にしておくかあらかじめ決めて前日までに購入しておきました。
ちなみに僕は、会場入りする前におこわのおにぎり1個とエナジードリンク、会場入りしてからはゼリー状の栄養ドリンクを口にしました。
用具の準備も事前に行いました。
防具は事前に染め直し、小手も修理に出し、面紐と胴紐は新調しました。当然面紐の長さも調整して適正な長さで切り揃えました。
竹刀は審査用に重め(540グラム)のものを購入しました。無駄振りを無くし、打突に威力を出すためです。
それと気を使ったのは礼法です。
審査当日だけ礼や蹲踞を丁寧にしようとすると意識が礼法にいってしまいます。
あくまで集中力はお相手に全振りしようと考えていましたので、無意識でも完璧な礼法ができるよう事前に鏡の前で何度も練習しました。
・丹田を充実
丹田の重要性は今更解説する必要がないくらい、武道家なら誰もが知っていることだと思います。
丹田を充実させると身体的にも動きが早くなり、上半身と下半身のブレがなくなり重厚感が出ます。
集中力の面からみても丹田はとても大きな役割を持っています。
審査当日、朝一の立会いでも対応できるように集中力を高めていました。
しかし立会いの順番は午前中の部の後半でした。
立会いまで少なくとも2時間ほど余裕があります。
そこで一度高めた集中力を解いてしまうと、再度同じレベルの集中力まで高められない気がしたため、集中力を切らさないように決めました。
集中力を維持するために、常に丹田の充実を意識しました。
具体的には、へその下の部分の空気が抜けないように下腹部をパンッと張っている状態にして、吐く呼吸を長く、吸う呼吸を短くしていました。
おかげで丹田が充実した状態で立会いに臨めました。
ただ、会場を出た後その日は固形物が喉を通らないほど疲労していました(笑)
・直前の緊張感から逃げない
僕が六段に何度も不合格になった時に学んだことがあります。
それは本番直前にやってくる緊張感から逃げると良い結果にならないということです。
面を着けて自分の順番まで後少し。
これまで稽古も積んで自信もある。
それでもやってくる本番直前の緊張感。
審査に不合格だった時を思い返すとその時僕は「これが終わったら美味しいビールを飲もう」とか「審査員に良い打突を見せたい」とか「あの時こんな風にやったら上手くいったな」など、目の前の緊張感から逃げようとする思考をするとゾーンに入れないことに気がつきました。
緊張というものは決して悪いものではありません。
非日常である本番を目の前にすると誰でも緊張するものなのです。
その緊張感を味方にすることで、日常では中々入れない超集中状態、いわゆるゾーンに入れるのです。
個人的に会得したコツは、立会い直前にやってくる緊張感を素直に受け止めて、逃げず、目の前のお相手との立会いにだけ集中することでゾーンに入れるようになりました。
この方法は今回の七段審査でも実行し、実際ゾーンに入り稽古以上の立会いができました。
審査での戦略
・戦略について
よく審査での立会いで「初太刀は絶対に面を打つ」とか「初太刀に何を打つか決めている」などと言う人を耳にします。
それで合格する方もいるので、決して間違いではないと思います。
しかし僕は、何を打つかよりもお相手よりも格が上に見えるように振る舞うという戦略で立会いを組み立てています。
審査をされる八段の審査員の先生方は朝から多くの立会いをご覧になります。
初太刀に何を打つかなどで合否を決めるとは思えないのです。
それよりも先ほど『客観性の大切さ』の章でも触れた、相手を引き出す、力強い打突、構えた時の姿勢などの複合的な要因から感じられる風格の方を重要視していると思うのです。
風格を意識すれば自然と無駄な動きや無駄な打突もなくなりました。
風格を出すには、静かに構えている中にも今にも弾け飛びそうな勢い(静中動)が必要です。
実際、審査を拝見していると攻めがなく焦って打ってしまう方や、無駄打ちを無くそうと意識しすぎて勢いがない方は不合格になっていたように感じられました。
風格、重厚感を演出するには静と動のバランスが重要だと感じました。
・技について
先ほどの考え方から技にだけ特別こだわることもありませんでした。
実際審査で出した技は、出頭面、出小手、返し胴、小手面などのオーソドックスな技でした。
ただ1本だけ裏からの面擦り上げ面を打ちました。
テクニカルな技を1本入れることで、七段の基準である『技量秀逸なる者』をより表現したつもりです。
ただ一番大切な技術は、技を出す前の攻めにあると思います。
立会いを振り返って
今回の七段審査を振り返ってみます。
・立会い一人目
僕より身長が高いお相手でした。立会いの前にお相手を見た時「面が得意そうだな」と感じました。
貧血気味の僕は、蹲踞から立ち上がった時、一瞬目の前が暗くなりました。この状態で全力の発声をすると目の前が暗いままだと判断して、発声の大きさは想定していたより落としました。
その分、充実した攻めを心がけました。
初太刀。予想どおりお相手が面を打ってこられたので、裏から擦り上げて面を打ちました。
次の打突は小手面を打ちました。
この小手面の小手は相手を居付かせるための小手です。小手と面の間に一瞬間を空けて面を打ちました。
次に打った技は左足を継いでの面。
これは外れましたが、左足を継いだことでこれまで全て違うタイミングで打突しているので、お相手はタイミングが合わせずらく感じたと思います。
その後も打突する前は必ず攻めを入れることをこころがけました。
・立会い二人目
二人目のお相手は僕より少し身長が低い方でした。
初太刀。一人目の方よりスピードのある面を打ってこられたので、返し胴を打ちました。
初太刀を見て、攻めの時間が短くスピードを活かした面を当てたい方だと感じました。
続いても合気になる前に面に飛んできたので、応じることなく竹刀を中段のままにしてお相手の動きを止めました。
お相手が攻めや合気を意識せずに打ってくる方の場合、焦って合わせてしまうと相手のペースになったり、出頭を押さえられたりしてしまいます。
しかし考え方を変えれば、相手に応じることなく動じない姿勢を見せることで「今はまだ打つ時じゃないですよね。私は理合が分かってますよ。」と審査員の先生方にアピールできるチャンスにもなります。
竹刀を振るだけがアピールポイントではないと思うのです。
その後、お相手の方は面を当てたい気持ちが感じられたので、先に間合いに入り面を誘って、出小手や出頭面を打ったところで立会いが終了しました。
神は細部に宿る
この章は本当にマニアックな内容ですので、興味のある方だけ読んでいただければと思います。
剣道に限らず、人より結果を残したいのであれば、人と同じことをしても差は生まれません。
必死に思考して、こだわり抜いた細部にこそ他との差別化が生まれます。
ここでは通常話さなかった細かいこだわりみたいな事について触れようと思います。
・攻め足について
皆さんは『攻め』について悩んだ経験はありませんか?
僕は学生時代からずっと悩んできたテーマでした。でも長い間具体的にはどうしていいかよく分からないテーマでもありました。
現代はスマホのおかげで色々な情報が簡単に手に入ります。剣道の攻めについても検索すればすぐに色々な情報が手に入る時代です。
色々な先生方の立会いを動画で拝見して勉強させてもらいました。
合格される方の多くが、先に打ち間に入り相手を動かしていることに気づきました。
その入り方も、左足を継いだり継がなかったり、早く入ったり、ゆっくり入ったり、小さく入ったり、大きく入ったりと様々でした。
言うまでもありませんが、先に打ち間に入った方が攻めているように見えます。
間合いの入り方が全く同じタイミングと歩幅では当然、お相手に読まれて対処され易くなります。
僕は稽古の中で色々な攻め足パターンを試してみて、上手くいったものに磨きをかけました。
実際に審査でも使った攻め足をご紹介します。
・左足は継がずに右足だけゆっくり前に出して一瞬止まった後打突
・両足同時に歩幅は小さくふわっと入って打突
・小さく早く左足を継いで素早く打突
・歩幅を早く小刻みにして相手を引き出してから打突
これらはあくまで僕の体格、年齢でのパターンにすぎませんので参考程度でいいと思います。
ただお伝えしたかった事は、攻め足1つ取ってもいくらでもパターンがあり、人によって千差万別でこういった細部にまでこだわる事が剣道の面白さだということです。
・構えから打突そして残心
昇段審査では打った後を見れば日頃から稽古しているかどうかすぐに分かってしまいます。
日頃から十分に打ち込み等、基礎稽古をされている方は打った後、相手をすり抜けて残心までがスムーズです。
もう少し掘り下げて解説すると、左足に重心が残ったまま攻め、打突することで腰の入った打突になります。
腰が入っているから、踏み込みも力強くなり、打突後の推進力となります。
打突は、良い攻めから始まります。
良い攻めは充実した構えから始まります。
構えは、ただ竹刀を持った立ち姿ではないのです。
構えとは、打突の準備姿勢です。
試合だと良い打突ができるのに、立会いになると良い打突が出せない方がいます。
試合と立会いの最大の違いというか難しさがここにあります。
立会いの場合、構えてから打突まで、極力無駄な動きをしません。
無駄な動きをせずに、重厚感のある攻め、素早い打突。これらの一見相反することを実現可能にするにはそれなりの技術が必要になります。
僕の場合このような工夫をしました。
・左足のかかとをいつもより下げて、左足に十分に重心を乗せる
・骨盤をやや前に傾け、丹田を充実させる
・骨盤を前傾させると右足に体重が乗りそうになるが、左足に重心が乗るようにバランスを取る
こうする事で構えた時、左足のひかがみも伸びて姿勢が綺麗になります。
そして真っ直ぐ立っているように見えるのに、一気に打突に移行もできます。
また、構えに重厚感が生まれます。
言うのは簡単ですが、やってみると意外と難しい構えです。
試合では足幅を広げることで、打ちやすくなりますが、高段者の審査で広いスタンスで構える人は余りいません。
審査での構えに悩んでいる方がもしいたら是非試してみて下さい。
剣道で社会をもっとニギヤカに
長い記事に最後までお付き合いいただきありがとうございました。
インスタグラムでは簡単な記事にまとめていますが、あまり簡単にまとめすぎても肝心なことが伝わらない気がしてブログではあえて詳しく書いてみました。
少しでも皆さんの稽古に参考になれば嬉しいです。
僕が昇段審査にこだわる理由は、自分の承認欲求を満たしたい部分は当然ありますが、もう一つの理由として「説得力を増したい」というのが正直な理由です。
剣道は素晴らしい文化です。
現代こそ剣道が人生に役立つ時代だという確信があるから、僕はもっと多くの人に剣道を好きになっていただき、剣道で社会をもっとニギヤカにしたいと心の底から願っています。
(にぎやかの語源となっているニニギもここから引用させてもらいました)
理想だけなら誰でも口にすることができます。
しかし、口だけでなく実践できる実力がなければ耳を傾けてもらえないのもまた真実だと思うのです。
これからも自分の修行も疎かにせずに、皆さんと一緒に成長していき情報を共有していきたいと思っています。
そして剣道を通じて社会が今よりほんの少しニギヤカになることを祈っています。
インスタに感想や質問のメッセージをいただく事で応援してもらえると嬉しいです。
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