戦う相手が間違っている
誰でも理想の自分になりたくて日々努力をしていると思います。
例えば理想の肉体になりたくてランニングを始めたり、筋トレを始めたり。
世界に通用する人材になりたくて英語の勉強を始めたり。
しかし現状はどうでしょう。そのチャレンジは習慣化できて、理想の結果が出たでしょうか。
90%以上の方が挫折を味わったのではないでしょうか。
でも安心して下さい。それが人間のメカニズム上普通のことなのです。
決してあなたの意思力が弱いわけではありません。
続かない理由は、本能に抗おうとしていたからです。
大昔人間は、食料が確保しやすく、安全に暮らせる場所を見つけた時にそこに留まるという選択肢をしました。つまり安全な場合では「変わらない」という指令が脳から出るようになったのです。
この脳の働きを「ホメオスタシス」、「恒常性」、「現状維持バイアス」等といいます。
理想を実現しようとした時に戦うべき相手は「自分より能力の高い他人」でも「意思の弱い自分」でもなく、「今安全な状態だから変わらなくてもいいよ、という本能」だったのです。
ラスボス「めんどくさい」
現代人のほとんどが、食事に困ることはなく、屋根と壁のある家に住み、暖かい布団で寝れる状態であり、生命に危険を感じることはありません。
当然脳は「変わらなくていい」という指令を出します。
こんな経験ありませんか?
2日前に始めた早朝ランニング、今日はなんだかめんどくさい。
最近始めた英語の勉強、眠いから今からやるのはめんどくさいな。
あなたの本能が「変わらなくていい」という指令を出し、めんどくさいと感じます。
しかし変わろうとしたあなたは、全力で変わらない言い訳を考え始めます。
雨が降ったからランニングは無理だな。
ランニングは膝に悪いから別のトレーニングの方が無難かな。
明日、今日の分の勉強もすればいいか。
安全な環境では脳が変わらなくていいという指令を出すため、僕たちの脳は全力で現状を維持するための言い訳を考え始めるのです。つまり安全な現状を変える兆しがみえるとこう思うのです。「めんどくさい」と。
そう、夢を叶えるまで、つまり人生の前半戦でのラスボスは「めんどくさい」です。
『人生クエスト』で僕たちは何度も何度もこのボスに正面から戦いを挑んでは敗れ続けてきました。
ではどうしたら人生前半戦のラスボス「めんどくさい」を倒せるのでしょうか。
めんどくさいの倒し方①
方法の一つは「ラスボスを仲間にする」です。
つまりホメオスタシスという本能を利用するのです。
僕たちがこれまでやろうとした事が継続できなかった理由は、生活の中に突然別の事を入れ込むことでホメオスタシス(変わらなくていい)が発動していたからです。
反対に日常のルーティンとなっている行動は、ホメオスタシスが発動しているため、逆にやらないと気持ちが悪くなってきます。
寝る前に歯磨きをしないと何となく気になって眠れないとか、朝は米を食べないと落ち着かないというのはそのためです。
①日常のルーティンとなっている行動を一度見つめ直してみましょう。
②やりたい事を細分化して簡素にする
③日常のルーティンに簡素化したやりたい事を組み合わせる
僕は、人生や仕事に役に立つ読書が中々継続できませんでした。
そこで、毎日車で通勤していた時間を利用しようと思いました。
今はYouTubeなどの動画やアマゾンオーディオブックのような音声コンテンツなどもあり、必ずしも読書でなくても情報のインプットが出来る時代です。
そこで車で通勤する時間帯、車内で聞いていた音楽をYouTubeなどの教育コンテンツに変更しました。
みなさんもホメオスタシスが発動しない工夫をしてみましょう。
めんどくさいの倒し方②
もう一つのめんどくさいの倒し方は、「ノリで危険な環境に行く」です。
こちらの方が根本的に、そして劇的に変わる事ができます。
先ほどホメオスタシスの話をしましたが、大昔の人間が命の危機に晒された状態ではどうしたでしょう。
水の確保ができない、食料の確保ができない、危険な動物が多くて安全ではない。
そんな場合に脳が出す指令は「動け」です。
話が少し脱線しますが、現代社会においてストレスを感じた時もこの状態と同じで脳が「動け」と指令を出します。しかし現代人は慢性的な運動不足のため本能に逆らった行動をとり結果、何かしらの病気になるのです。やはり運動は健康のためにも必須科目ですね。
ストレス(身の危険)を感じたら「動け」です。これで脳が喜びます。
話を元に戻します。
身の危険を感じた場合は「トランジスタシス」という本能が働きます。ホメオスタシスの逆で「このままでは危険だ、現状を変えろ」という指令を脳が出すのです。
身の危険を感じたら、動いて現状を打破しようとする、極めてシンプルな行動原理です。
この本能を利用すれば夢を叶えるために現状を変える事ができます。
例えば
語学を身につけるために日本人のいない海外に語学留学を申し込む
会社まで歩くしかない距離の場所に引っ越す
稽古の厳しい剣道部がある高校に進学する
新しいプロジェクトのリーダーに立候補する
など強制的に動かざるを得ない環境に自らを置くのです。あとは勝手にあなたの脳が「このままでは危険だ現状を変えろ」と指令を出してくれますので「動く」方が自然な状態になります。
しかしここでも立ちはだかるのが「ホメオスタシス」です。こいつが現状を維持するためにさまざまな言い訳を発動してきます。
語学留学するにはもう少し単語を覚えてから
引っ越しするにはもう少し貯金を貯めてから
今の実力であの有名な剣道部でやっていける自信がない
僕がリーダーになるにはもう少し経験を重ねてから
などあなたの本能は全力で現状を維持しようとしてきます。このボスは本当に強い。
なのでこのボスの倒し方は「ノリで危険な環境に行く」ことです。
本当に必要な準備はするべきですが、準備のし過ぎはラスボスの思うつぼです。
最初の行動を起こす時だけ、マンガや映画、憧れの人の影響を受けてテンションが上がった時を利用して応募なり、行動なりをしましょう。ノリが大事ですノリが。ここでは理屈をこねても良い事は一つもありません。
心配はいりません、後はあなたの本能が生き残りを賭けて行動を開始します。本能のまま全力で行動して下さい。気づけば結果が伴ってくるはずです。
ちなみに僕も中学時代に2つの進学で悩みました
1、近くてそんなに練習も厳しくない剣道部のある高校
2、遠くて練習の厳しい高校
中学時代の僕は決して強い剣道部ではなかったので、強豪校に進学する気は正直ありませんでした。
一晩悩んだ結果、厳しい環境に身を置く決意をしました。
今では本当にあの時の決断を誇りに思っています。
おわりに
『人生クエスト』前半戦のラスボスに勝ったあなたは、人生の後半戦に突入します。
「めんどくさい」に勝ったあなたは、やりたい事が継続でき、継続がスキルとなり、スキルが結果を生むでしょう。結果は評価となりさらなる自信になります。
そして、◯◯になりたい。〇〇したい。という夢が実現されたことでしょう。
しかし人生は成功を治めた後の方が難しいとされています。
成功を治めた後に戦うべき相手は、人生クエスト後半戦のラスボスは『天狗』です。
つまり『傲慢』を倒さなければいけません。
こいつの倒し方はまたいずれ‥‥
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