剣道は人格を磨き社会に貢献出来る人に成長することを目的としています。
しかし、人としてどういう人が素晴らしいのか。
人として自分はどのくらい成長しているのか、という情報は余り耳にしないのではないでしょうか。
指導者として自分はどのくらいの段階にいるのか。
保護者の目線からお子さんは今どの段階まで成長しているのか。
これを把握していなければ、アドバイスや努力も的外れなことになりかねません。
ちなみにここでいう成長とは人間の精神性や品格であって、知識レベルではありません。
いくら勉強をして知識が豊富になっても人間性が低く実力を発揮できていない人があなたの周りにもいませんか。
ここでは少し客観的に人の成長段階を見てみましょう。
第1段階 自己中
まずは第1段階、自分のことしか考えられないレベルです。
赤ちゃんは生きるため全力で自分の欲求を表現して周囲の大人からサポートしてもらい大きくなります。
しかし大人になってもこの自己中心的な自分から抜け切れていない人は結構います。
第2段階 自立の準備段階
次はお手伝いが出来るレベル、自立の準備段階です。
お子さんに積極的に家事や料理を手伝わせましょう。
まだ完璧に一人では出来なくても本人は「お風呂を入れるのは僕の仕事」「この料理は私が作った」という意識を持たせることで少しづつ一人で出来ることが増えていきます。
社会人でもこの段階が抜け切れず指示待ち人間のまま大きくなった人が少なからずいます。
そんな方に「こんな事ちょっと考えたら出来るでしょ」と怒るのではなく、お手伝いをさせて自立を促しましょう。
第3段階 自立
いよいよ自立です。
精神的に大人になる段階です。
自分のことは自分で出来る人です。
「おれはとっくに自立しているよ」と思っている方、要注意です。
ほとんどの人間はこの段階の精神レベルのまま生涯を終えることになります。
自分への甘さを捨てて一度客観的に自分を振り返ってみましょう。
そこから人としての成長が始まります。
第4段階 開発力
仕事でも剣道でも必ず問題や壁がやってきます。
今まで通りのやり方では通用しないから問題であり壁なのです。
解決するには工夫が必要です。
物事を多角的にみたり、長期的にみたり、本質から考えたりしましょう。
この頃から相手の立場に立って物事を考える事も出来てくると思います。
一人では解決できない事も誰かの力を借りてチームとして解決することも必要です。
そのためにはコミュニケーション能力が必要になります。
僕もこの段階に至るまで苦労しました。
大人になっても長いこと相手の気持ちを考えることなく、自分が嫌われたく無いがために表面的な優しさしかありませんでした。
本心から相手のために動けるようになった時、不思議と剣道も成長することが出来ました。
第5段階 指導力
自立して、問題も解決出来る人に成長すれば部下が出来たり子供に教育をする場面が増えてきます。
教える事だけが教育ではありません。
「あんなに教えてやったのに、あいつは全然成長しない」と言う人がいますが、それは自分の指導者としてのレベルが低いと公言しているようなものです。
相手の存在を認めていますか。
自分の価値観や経験を押し付けるだけの指導ではないですか。
そもそも相手があなたの話に耳を傾けてくれる程自分自身の人間性は成長しているでしょうか。
第6段階 包容力
より多くの部下をもったり、多くの子供たちに指導しているとまったく違う価値観の人が現れます。
そんな人が現れたら自分が試されていると思って下さい。
ここで価値観が違うからといって争ったり、無視するようではまだこの成長段階ではありません。
あの人は器が大きいと言われる人の正体は、自分と違う価値観でも認められるということなのです。
これは簡単そうに見えて難しい話です。
第7段階 感化力
ここまでくると「我」が無く、当人は普通に生活しているだけでも、周囲が勝手にあなたの影響を受けて来ます。
人に感動して自分の価値観が変わった経験はないでしょうか。
自分の価値観を押し付けても人を変えることは出来ません。
しかし人としてここまで成長するとあなたの真似をしてくる人が増えます。
あなたの行動、発言、考え方に感化されるのです。
言い換えるならあなたの影響を受けあなたの真似をする人が増えるのです。
自分の影響を受け、真似をする人がいれば生きた意味があるのではないでしょうか。
いかがでしたか。
正直ここまで人として成長出来る人は僅かです。
しかしスキルや知識だけでなく人としての成長段階を知っておくことは非常に大事なことだと考えています。
辛口に見てあなたはどの段階ですか?
ここまで読んでくれた真面目なあなたは人に影響を与える人間に成長する方だと思います。
剣道を通じてこれからもお互いに成長していきましょう。
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