これを読んでいるということは、無事に道場に入門したのだと思います。おめでとうございます。剣道は何歳までも学び続けることが出来る競技ですので、同級生や先に入門した生徒さんとあなたのお子さんを比べて焦る必要はありません。
今後面や胴などの防具を着けるようになるまでの流れを簡単に説明します。
「すり足」→「竹刀の握り方、構え方」→「踏み込み足」→「面打ち」
が出来るように今後記事を作成していこうと思います。
また「防具の選び方」「袴の着方、防具の着装」などの説明も今後入れて行こうと思います。
それでは今回のタイトルにあるとおり「すり足」の説明に入ります。
普通の歩行とは違う?
剣道初心者の最初の壁は「すり足」です。いきなり完璧に出来るわけがないので、焦らずいきましょう。なぜ難しいと言うと日常生活の歩行と似て非なる動きだからです。
日本人が今の歩行になったのは明治維新で西洋の文化が入って来てからと言われています。
えっ?昔の日本人は今と違う歩き方なの?とお思いでしょう。この説明をするとそれだけで1本の記事になってしまうので簡単に説明します。
まず現代人の歩行は左足を前に出す時は右手が出るという体をひねる運動が基本です。
昔の日本人の歩き方は手を降らず、足も高く上げず、体をひねること無く重心を前に倒すことで歩行していました。
?よく分かりませんよね(笑)昭和の方でしたら竹馬に乗った経験があるのではないでしょうか。
竹馬の場合、足を上げて進もうとするとバランスを崩します。体重を前に倒すことで足が勝手に前に出るとても省エネな動きをします。
竹馬で前に出る際、左足が前に出れば自然と左手が前に出て、右足が前に出れば自然と右手が前に出るため体がねじれることもありません。
昔からあるもので言えば能や歌舞伎、相撲などの手足の動きも全てこの動きになっています。
我々が登山などで極限まで歩き疲れた場合自然とすり足になっていると思います。それほど本来理にかなった動きなので疲れにくく、故障もしづらい動きです。
剣道のすり足(足の位置)
それでは剣道のすり足の説明に入ります。先ずは足の位置についてです。
①まず自然体で立つ
②そのまま右足を半歩前に出す
③左足のかかとを5㎝くらい上げる
④右足のかかとは紙が1枚通るくらい上げておく
その状態で以下をチェックしてみて下さい
・右足と左足の幅は拳1個半〜2個分くらい離す
・左足のつま先のラインと右足のかかとのラインが揃うくらい
・左膝を伸ばす(伸ばし過ぎも注意、適度に余裕がある程度)
足の位置が整ったら、実際に前に進んでみましょう。
剣道のすり足(進み方)コツはムーンウォーク
右足に体重が乗っていると足がスムーズに進みません。
竹馬のように軸となる左足に体重を預けたまま重心を前に倒すと体が倒れまいと勝手に右足が前に出ます。
①しっかり左足に体重を乗せる
②右足を紙1枚分浮かす
③この時左足で床を押して体ごと前に出ようとする(右足は少し浮かした状態のまま)
④右足が勝手に前に出て着地するので、右足に重心を移す
⑤勝手に左足がついてくる
⑥最初の足の位置に戻る(左足のつま先ラインが右足のかかとのラインを超えないように)
文字にすると難しいですが、習うより慣れよです。
よくある間違いで言えば
・頭の位置が上下する
・前に出る時に右半身が前に出て捩れる
・左足が右足を越えてしまう
がよく見受けられますので、チェックしてみましょう。
先生の見本をイメージしながらひたすら繰り返し練習しましょう。
昔はすり足だけで半年以上練習したくらいです。
体重移動でコツを1つ。マイケル・ジャクソンのムーンウォークをご存知でしょうか。
知らない方は↓ ムーンウォークは出来なくてもいいです(笑)
ムーンウォークのコツは軸足に体重を乗せることで、反対の足が自由になるため足の裏全体を引きずるとことが出来ることです。
剣道のすり足も同じです。左足に体重を乗せることで右足が自由に動けます。
色々なすり足
前に進むことが出来たら次は後ろに下がるすり足です。
要領は前に進むやり方と反対で、右足に体重を乗せ、右足で床を押し体を後ろに出しましょう。
右や左に動く場合もコツは同じです。
右に動くのであれば軸足となる左に体重を乗せる。左に動くのであれば軸足である右足に体重を乗せることが重要です。
すり足について参考になる動画を乗せておきます。香田先生という剣道界で有名な先生の動画です。
何度も言いますが歩行の方法が違うので、いきなり上手くは誰も出来ません。すり足は剣道の上達の鍵となる基本動作です。焦らずじっくり取り組みましょう。
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