体を動かすだけが修行じゃない
剣道の試合や昇段審査などの本番で実力を発揮できず悔しい経験をされたことはありませんか?
運動能力や技術力だけで勝てる程、剣道は甘いものではありません。
緊張する場面で良いパフォーマンスを発揮するには、頭の回転や精神面の安定など目には見えない領域を鍛える必要があるのです。
どうやって?
試合や昇段審査などの経験を積むという方法ももちろんありますが、日々過ごしている日常に頭脳と精神を鍛える機会を増やせばより早い成長が期待できます。
何気ない一日をどう過ごすかが高みを目指すには重要なことだと思うのです。
今回は、日常でもできる頭脳・精神修行をいくつか提案します。
ちなみに日常から出来る剣道修行【身体編】もありますので、興味がある方は読んでみて下さい。
新技を妄想する
1つ目は、『新技を妄想する』です。
マンガとかだとカッコイイ名前の技があるのに、現実の剣道は面返し胴とか小手擦り上げ面みたいに結構地味な技名ばかりです(笑)
佐々木小次郎の『燕返し』、伊藤一刀斎の『仏捨刀』、卜伝流『一の太刀』など昔の流派の技名ってかっこいいですよね。
あなたも新技を開発してみましょう。
技を出す前の攻め✖️打突という組み合わせを考えると技は無数にあります。
オリジナルな技を思いついて、自分だけの技名を妄想してみて下さい。中二病全開でもいいじゃないですか。
その中から実際に試合で通用する技にまで昇華できるものは僅かかもしれません。それでも相手からしたら体験したことのない技は初見で対応できるものではありません。
ここで大切なことは、新技を生み出す柔軟な頭脳です。
それが守破離の『破』に繋がるかもしれません。
客観的に物事を見てみる
僕は自分の稽古を撮影して、お手本としたい方の動画と見比べることで成長のきっかけをつかみました。
いくら稽古しても当たった当たらなかった、褒められた怒られた、といったような主観的な評価だけでは、効率的な成長は難しいと感じています。
しかし自分自身のことを客観的に観ることはとても難しいことです。
他にも自分の稽古方法を客観的に見て効果のないものは改善したりする必要があります。
客観的な視点は、計画→実行→検証のどのフェーズでも必要なことだと思います。
日頃から何事も客観視する癖をつける事は、仕事や勉学、人生においてもとても役に立ちます。
これも「分かってはいるけど、中々できない」ことの一つです。
自ら緊張する場面を作る
本番は誰でも緊張するものです。
しかし、その緊張感は悪いものではありません。本番の緊張感を味方につけることができれば、いつも以上の力が発揮できるからです。
そのためにも緊張する場面を自ら経験しにいくことで、緊張を味方につける感覚を会得して欲しいのです。
例えば職場や学校で
・発言を求められている場面で手を挙げてみる
・プレゼンをする機会があれば積極的に立候補する
また、日常で困っているけど誰もが見て見ぬふりをしている場面で敢えてその人に声をかける事も結構勇気が必要だと思います。
緊張する場面で良いパフォーマンスを発揮するコツは人それぞれです。
ちなみに僕の緊張感を味方につけるコツは「目の前の本番から目を背けない」です。詳しくは七段審査の体験記でも書いていますので、読んでみて下さい。
是非色々試して自分なりの本番対策を確立してみて下さい。
人に指導する
子供に対する剣道指導や職場で人に指導する機会を活かすのも一つの方法です。
学生のころ、人に勉強を教えることで自分の理解が深まった経験ありませんか?
人に教えることは自分の理解度が客観的に見えるためです。
そして相手に理解してもらえるように分かりやすく構成し直したりする事も思考力を向上させる方法です。
指導する中で最も注目して欲しいのが「この人どのくらい理解してくれているかな」と相手を思うことで、相手の感情をキャッチするセンサーの感度が高まることです。
普通のコミュニケーションの中でも当然鍛えることの出来る感覚ですが、剣道は試合中に戦術なども考えながら、相手の気持ちを読まなければいけませんので、指導する経験がとても適しているように思います。
指導する際は色々な事を考えますが、その思考しながら発言している中でも相手の感情を汲み取れるように意識する事が確実にあなたの剣道力を向上させます。
一眼二足三胆四力と言われるように、相手の気持ちを読む眼が剣道ではとても重要だからです。
おわりに
日常の中でも鍛えるチャンスはいくらでもあります。
しかし日常のほとんどの行動が無意識に行われています。
始めは意識しないと取り組めなかった小さな修行も、何度も重ねる内に無意識にできるようになります。
良い習慣、良い癖を増やすことが、剣道に限らず大きな成果を出すには重要なことだと考えています。
意識しなくても積み重なっていくって最強だと思いませんか?
是非自分なりの日常でできる小さな修行を考えて実行してみて下さい。
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